施工のポイント

今回の建物の間取りは、1階が寝室、2階にリビング、ダイニング、キッチンという間取りで、周辺は田園に囲まれていて、2階からは見渡す限りの田園風家が広がっているロケーションで、また道路を挟んだお向かいに、ご実家があり、大きなお庭があるため、ほとんどお庭スペースがない（いらない）というご依頼でした。更には北玄関のため、建物の窓なども少なく、建物以外の敷地はほとんどが駐車場、という中で、殺風景でつまらない外構にしたくない、建物の表情も含めて淋しい印象にならないようにしたい、あまり類似する外構が周りになくて、どういうのかわからないけど、ご夫婦が「好き！」「満足度高い！」と言えるものを提案してほしい。とのご要望でした。そこでまずはお客様が好きなスタイルやイメージを引き出すために、各メーカー様の展示場をめぐり、時にはもう一度、と2度訪問したり、何パターンもの図面を起こして打合せを打合せをしていきました。最終的にご予算はかなりのオーバーになったのですが、何一つ削りたくはないとなり、門まわりにほぼ一点集中のプランでまとまりました。雨対策、横に広い駐車場からの動線、ゆったりと広い玄関ポーチとステップ、建物との調和等、たくさんのポイントがある中で、当店から強くお勧めしたのが、ホームヤードの天井の仕上の仕様。当初、軒内は、板貼りにダウンライト、正面は壁で玄関を隠すプランで決まっていました。一方で北側玄関ということもあり、日中も日陰になりやすいため、どうしても玄関が暗いイメージになります。ですが、軒内の板張りは施主様としては絶対に削りたくないとのことで、メーカー仕様としては設定のない工法ですが、天井の前（道路側）半分を板張りに、後ろ（建物側）半分をスリット格子仕上げにして、正面の壁も2/3をスリットにすることで、玄関前が暗くなることを軽減する工夫をしました。斜めスリットにすることで変化をつけるとともに、ホームヤードはライトとダークのグレーでシンプルにまとめ、門塀のアートボードに特徴的なカラーを用いたことで、お客様の趣向や個性を取り入れたことが決定打となったと思います。施工においては、納め方も施工方法も手順書がないため、職人さんに大変ご苦労を掛けてしまいましたが、結果、照明でライトアップされたものもとてもいいですが、自然の太陽から作り出される陰影も大変きれいで、癒されます。お客様もプランをした私も職人さんも大満足の仕上がりになりました。

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